「ライフ・アクアティック」The Life Aquatic with Steve Zissou
ウェス・アンダーソン監督の新作を観た。最初に言ってしまうとボクはこの監督の作品てどうも笑えなくて、それはなんか狙いすぎな空気がぷんぷんしてるからだったりする。
今回は海洋冒険家でドキュメンタリー映像作家が主役で、劇中最初のほうに彼の作品に対して「わざとらしい」とか批判されるシーンがあって、それは監督が自分のことを戒めてるのかなんて思ったんでちょっと期待しながら観てました。個人的には「天才マックスの世界」や「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」よりは楽しめた感じでした。
根本的なギャグのノリは今までとあまり変わらないけど、ビル・マーレイやウィレム・デフォーがあまりにいい味出してたのがよかったのかもしれない。あと、全編で流れる、ブラジル風にアレンジされたボウイの曲の弾き語りが気持ちよかった。他のBGMもDEVOのマーク・マザーズボーが手がけたチャカチャカした曲で絶妙な雰囲気出してました。
ハンディキャップを持った人(犬)に対するブラックな差別ネタがうまく効いていた。「おなかの赤ん坊に汚い言葉使いたくないのよ」って言いながらそこだけ汚い言葉使ったりとか笑ったかも(ちなみにケイト・ブランシェットは撮影当時ホントに妊婦だったそう)。
で、実はボクがこの映画を一番観たかった点はアニメーションだったりして、制作は「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」や「ジャイアント・ピーチ」を手がけたヘンリー・セリックでした。ストップモーションアニメをディジタル合成してたような画面。CG使えばもっとリアルにできそうなとこをあえてコマ撮りアニメにした上、そのどう見ても作りものっぽい生物に感動するビル・マーレイの名演もあいまって、もうすごい世界になってました。皮肉たっぷりという感じでよかった。
参考ページ
◆IMDb
http://www.imdb.com/title/tt0362270/◆ヘンリー・セリック インタビュー(英語)
http://mag.awn.com/index.php?article_no=2328